採用がうまくいかない本当の理由|理系人材争奪戦と、今すぐできるAI活用による採用改革

採用がうまくいかない本当の理由|理系人材争奪戦と、今すぐできるAI活用による採用改革3

「求人を出しても、まったく反応がない」
「せっかく入社してもすぐ辞めてしまう」――。 

そんな悩みを抱える企業が、いま全国的に急増しています。

原因は単に自社の魅力不足ではなく、採用市場そのものが劇的に変化していることにあります。

理系人材は取り合い状態、求人倍率は一見落ち着いているようでいて実は激化。

この記事では最新のデータと事例をもとに、採用に苦戦する企業が「今すぐできる打ち手」を解説します。

目次

第1章|理系人材の争奪戦:就活の早期化が加速する

「学生が本格的に就活を始めるのは3年の夏から」

――そんな常識はすでに崩壊しています。

実際に、2026年卒の学生の約80%が、6月以前に就活を開始しているというデータが出ており、
もはや“3年夏開始”という概念は時代遅れになっています。

とりわけ理系人材は企業にとって希少資源であり、インターンや企業研究を早くから進めているのが実情です。

背景にあるのが「理系離れ」という社会的な課題です。

数学や理科への苦手意識が強まり、文系への流入が進む中、理系学部の定員に対して志望者が減少傾向にあります。

その結果、理系学生の絶対数が少なくなり、結果的に企業間の競争が激化しています。

さらに、昨今の理系学生は「社会貢献」「やりがい」「スキルアップ」など、給与以外の価値を重視する傾向が強まっており、企業側も単に年収や福利厚生だけで訴求していては見向きもされません。

社内制度や働き方、エンジニアの裁量範囲、成長支援体制など、“リアルな職場像”を発信できるかが重要な要素になっています。

ここで重要なのが、企業の「採用活動のスピード」です。

「内定は夏以降でいい」と考えていた企業は、3月時点で内定を決めたい学生に出遅れます。

実際に、学部生の56.9%、院生では72.8%が「3月までに内定を得たい」と考えており、4月以降に動き出すのは致命的なタイムラグとなります。

しかも、早期に動けるのは大企業や知名度のある企業に限らず、中小企業でも「メッセージ性」と「情報発信力」があれば十分に勝機があります。

「よい人材を採る」ではなく、「早く動いた企業が勝つ」時代へ

今こそ、採用の設計そのものを見直し、「誰に」「いつ」「何を伝えるか」の構造改革が求められています。

第2章|求人倍率は下がっても、採用難易度は確実に上がっている

「有効求人倍率は落ち着いてきたから、採用も楽になっているのでは?」 

そう思っている方は要注意です。

確かに、厚生労働省が発表している2024年の有効求人倍率は1.25倍。

数値だけ見れば、コロナ前(1.6倍)よりも下がっているため、「少し楽になってきたのでは」と思われがちです。

しかし、これはあくまでハローワークにおけるデータであり、実際の転職市場・求人市場の体感難易度とは一致しません

事実、大手転職サイト5媒体に掲載されている求人数は、コロナ前と比較して約3倍に増加。

企業側が求人を出すハードルは下がった一方で、求職者からの反応率はどんどん下がっています。

競合の数が膨大に増えていることにより、同じ条件・同じ給与では埋もれてしまうのです。

こうした状況下で起こっているのが、以下のような現象です:

  • 応募数の激減(求人媒体に出しても反応ゼロ)
  • 書類通過率の低下(母集団がマッチしていない)
  • 面接辞退・ドタキャンの頻発
  • 採用単価の高騰(媒体費だけがかさむ)

これらの問題は、単なる媒体選びの問題ではありません。

根本的に、「誰に向けた求人なのか」「その人が興味を持つポイントはどこなのか」が見えていないことに起因します。

今必要なのは、「量」ではなく「質」の戦略。

つまり、“刺さる人だけ”に届く設計です。

特定のペルソナに対して、響く言葉、訴求ポイント、タイミングを整えることで、無駄な母集団形成をせずに、必要な人材とだけ接点を持つ仕組みが重要になります。

求人倍率は“数字のトリック”であり、体感難易度はむしろ激増しているのです。

第3章|採用成功企業が始めている“AI × 採用”の活用術

こうした採用難を打開すべく、AIを用いた“採用の自動化・最適化”に取り組む企業が増加しています。

特に福岡のIT・スタートアップ企業を中心に、ChatGPTなどの生成AIを使った求人作成や、スカウト文面の自動生成、さらには応募者情報からの選考支援といった実践事例が増えています。

弊社が提供する「マルっと採用代行サービス」は、採用活動の一連の流れをAIと人のハイブリッドで支援しています。

【提供内容の例】:

  • 採用戦略・チャネル設計の策定
  • 魅力の言語化・ペルソナ設計
  • 求人原稿の生成・ABテスト
  • スカウトメール文面の自動最適化
  • 応募者情報のカルチャーフィット診断
  • 面接設定・候補者対応までの自動化

これにより、たとえば「人事1名で毎月30件の面接対応+スカウト送信+媒体運用」をしていた企業が、半分以下の工数で同等以上の成果を出せるようになった事例も出ています。

AI活用は魔法の杖ではありませんが、「どんな材料を与え、どんな目的で使うか」を明確にすれば、人事業務の生産性は劇的に変わります。

【AI活用の3ステップ】:

  1. 自社の魅力をAIが理解できるようにプロンプト化(例:Slack文化、フルリモート制度、技術書支援)
  2. 狙う人材像をペルソナとして明文化し、AIに伝える(例:「福岡で働きたい20代未経験エンジニア」)
  3. 出力された文章を、採用目線+第三者目線でレビュー&修正

▶ 採用広報は「作業」から「戦略」にシフトする時代です。

採用は「やるか・やらないか」ではなく、「設計し、仕組み化する」ことで勝ち筋が見えてきます。

まとめ

人材市場の構造が変わった今、採用で成果を出すには“過去の常識”を捨てることから始まります。

  • 母集団をただ増やすのではなく、刺さる相手にだけ届く仕組みを作る
  • 採用業務に人力を割くのではなく、AIで効率化して人にしかできない部分に集中する
  • 採用活動は「今すぐ動いた企業」が圧倒的に有利

採用を“変えるべき時”は、まさに今です。

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